きくち歯科医院

歯周病専門医による歯周病治療を行っています

ドクター紹介

院長の菊池重成がどんなことを考えて治療をしているのか、プロフィールや素顔についてインタビュー形式でお伝えします。
 

治療をする時にいつも心掛けていることはありますか?

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初診の患者さんには、「自分のお口がどのような状態で、何のために、どのような治療を行う必要があるのか、分かっていることが大切です。納得して良い治療を受けて下さい」とお伝えしています。

中島みちさんというノンフィクション作家が『患者革命-納得の医療 納得の死』という本の中で紹介していた3つの納得という言葉が治療方針を立てる上でとても大きな柱になっています。その3つとは以下の通りです。

 

(1)患者・患者家族を納得させられること
(2)同じ専門領域の医師を含む医師集団を納得させられること
(3)同じ職場の人たちを納得させられること
 

本当にその治療が必要なのか、自分自身がまた自分の親や子どもが同じ状態なら同じ治療方針を伝えるのかを自分に問い直して、患者さんに説明するように心掛けています。
 

私は大学で教える立場でもあるので、若いドクターと治療方針についてディスカッションをすることが多いのですが、その時に科学的な根拠に基づくだけでは不十分で、患者さんやスタッフも納得する医療を提供することが大事だよとよく話をしています。
 

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学生の時に国際交流をしていたとのことですが、英語は得意だったんですか?
 

大学5年生の夏にAPDSAというアジアの歯科学生の集まりがオーストラリアで開催されることを知り、安く行けるよという言葉に誘われて行くことにしました。
当時は英語が下手でした。バックパッカーとして一人でいろいろな所に行きましたが、旅行はレストランに入れば食べに来たんだし、旅館に入れば泊まりに来たに決まっています。だから、語学力なんてなくても通じるし、ほとんど問題ないんですよ。でもAPDSAでは英語で研究発表をすることになってしまい、原稿を作ってなんとか発表しましたが、質疑応答になったら相手が何を言っているのかまったく分からないという辛い状況に立たされました。さらにシンガポールの女の子にあなたの英語はチープだと言われがっかりした覚えがあります。

それはかなり悲しいですね(笑)
 

2259E-3APDSAに参加していたアジアの学生では日本人、韓国人、台湾人がダントツに英語が下手です。他の国では海外に行けるのは超エリート、教科書も英語で書かれているから、英語が使えるのは当たり前。でもそれは母国語で最先端の科学を学ぶことができないということなんですよ。英語下手な3カ国は母国語である程度学べるし、超エリートでなくても海外に行けるし、歯科医師にもなれる。ある意味とても恵まれている国なんです。そしてこの3カ国は漢字ができるので、いざとなったら漢字で筆談ができ、コミュニケーションがとれます。さらにメンタリティも近く、本当の兄弟のように親しくなりました。

 

APDSAで外国の友だちができたんですね

 

そうですね。友だちとのコミュニケーションに必要だから使っていると、だんだん慣れてきますね。図々しくなってくると言うか。
私は東京医科歯科大学の大学院を卒業してからハーバード大学の歯周病学講座に留学したのですが、そこでAPDSAの友だちと再会しました。今でも連絡を取り合っているよい仲間達です。
 

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卒業後の進路、専門分野などはどのように決めたのですか?
 

6年生になると病院実習があり、実際に患者さんの治療が始まります。近年は見学中心の学校もあるようですが、母校の東京医科歯科大学では指導医が厳格にコントロールしている環境だからこそ未熟であっても実際に治療をさせることができるという考えが徹底していました。実習での事故やトラブルに繋がらないよう、事前に行う手順のシミュレーションなどの入念な準備をし、ステップごとにチェックの印鑑をもらいながら進めるのですが、今考えると学生も大変ですが、それをコントロールする先生方の方が大変だっただろうなと思います。歯科医師国家試験の勉強もしなければならないので、それなりに多忙な日々を過ごしていましたが、卒後の進路について考える時期でもありました。
 

私は臨床家として患者さんの役に立ち、社会に貢献できる人間になりたいと思っていたので、臨床的な方向に進むことは決めていたのですが、より専門的な考えを深めるために大学院で学ぶことが必要だと思っていました。いずれ臨床医になるとしても一度研究もしてみたい、後で研究の道に進むのは大変そうなので先に学んでおこう、と思いました。

 

大学院ではどのような研究をしましたか?
 

大学院の4年間は歯周組織再生治療の研究を行いました。苦労もありましたが多くの先生方の助けもあり、歯科博士の学位を取得することができました。指導教授の石川烈先生は「学位は足の裏の米粒」って言われているんだよねーとおっしゃっていました。そのココロは「取らないと気持ちが悪いけれど、取っても食えない」とのこと。一流の先生方にとってはそんな気持ちなのかもしれませんが、私にとっては努力が形になったということで、とても誇らしく感じました。

ハーバード大学に留学されていますが、米国での留学はいかがでしたか?
 

2259E-5大学院に在籍している時からハーバード大学で勉強しないかというお誘いがあり、卒業したらぜひお願いしますということで、学位授与式が終わってすぐにアメリカに飛び立ちました。大学院3年の時に同じ医局のドクターと結婚して、娘も生まれ、家族三人でボストンに住むことになりました。

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ハーバード大学では最先端の歯周病学の研究だけでなく、実際に附属病院で歯周病の治療や臨床研究に携わったり、経験のなかったインプラント治療を一から教えていただきました。また、大学院生の臨床や研究の指導をする機会も得られました。

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留学で失敗してしまうケースのほとんどが、留学先のボスとケンカするか奥さんがノイローゼになるかのどちらかと聞いていましたが、どちらとも無縁で楽しく学び、二年目には息子がボストンで生まれました。留学を通じてアメリカという国の多様性、先進性、複雑さ、懐の深さを知ることができ、これまで自分が持っていた視野を広げる新たな視点を持つことができたことは私の人生における貴重な経験でした。
 

帰国されてから開業に至るまではどうでしたか?
 

帰国してから2年間は大学で研鑽を積み、父の歯科医院を引き継ぐことになりました。大学での研究や教育も楽しかったのですが、やはり自分にとって一番大切なのは臨床医として生きることで、開業医となることについてあまり迷いはありませんでした。
 

2259E-8大学を離れる決断をした時、恩師の石川教授から、大学との縁を保っておいた方がよいと言われ、客員臨床講師というポストを用意して頂きました。大学で患者さんを治療することや大学のネットワークや施設を利用することができ、歯周外科オペカンファレンスというセミナーを主催することにしました。毎月1〜2回専門医を目指す若手のドクター達と一緒に症例検討会や実習による歯周外科手術のスキルアップを行っています。
 

毎月第3火曜日の朝に行う歯周外科オペカンファレンスは2019年で15年目になります。また、その日の午前中には院内セミナーを行い、スタッフと一緒に最先端の歯科治療について勉強しているので、休診になることがあります。
 

大学で教育にも携わっているのですか?
 

そうですね、教えることは好きですし、教育欲の発露の場として利用させて頂いています(笑)。
もちろん教えることによって自分が学ぶ事も多いです。
 

歯周病の専門医を目指すドクターの指導だけでなく、きくち歯科医院は平成31年度から東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科と連携して、歯科衛生士を目指す学生の臨地実習の施設にもなりました。スタッフと力を合わせて取り組んで行きたいと思っています。
 

かなりプライベートなことについても詳しくお聞かせ頂きました。
 

自分が治療を受けている先生がどんな経歴で、どんなことを考えているのかって知りたいですよね。なかなか直接聞くことはできないと思うので、ホームページを見て頂くことで少しでもお伝えすることが出来たなら嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
 

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